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2022/9/22 新着情報
【ドラフトへの軌跡】第8回 松田賢大(バイタルネット) 21歳 投手
2022年4月21日 JABA長野大会
バイタルネット1-3西濃運輸
 

松田賢大(バイタルネット) 21歳 投手 177cm74kg 左投左打 日大鶴ヶ丘



© 野球太郎
 

 この日、まず驚かされたのがスタンドに詰めかけたスカウト陣の数だ。数えてみるとNPB全12球団が揃い、総勢は28人。一方でスポーツ紙の記者は不在で、一般的な知名度が高い選手がお目当てではないことがよく分かるだろう。実際、高校時代から注目を集めている西濃運輸の林優樹(21歳・投手・近江)は調整遅れでこの試合ではベンチを外れている。そんな中でスカウト陣から熱い視線を集めていたのが同じ高校卒3年目のサウスポーであるバイタルネットの松田賢大だった。初めてピッチングを見たのは昨年5月に行われた日本選手権予選の対JR新潟戦だ。相手との力の差はあったものの、松田は3回をノーヒットと好投。ストレートの最速は143キロをマークしている。


 そしてこの日の相手は格上とも言える西濃運輸だったが、松田は更に成長した姿を見せることとなる。3回にソロホームランを浴び、4回には連打と併殺打の間に追加点を許して負け投手となったものの、7回を投げて被安打7、2失点、10奪三振と先発投手としての役割を見事に果たして見せた。特に見応えがあったのが7回のピッチングだ。ワンアウトから3連打を浴びて満塁のピンチを招いたものの、最後の力を振り絞って後続の打者を連続三振にしとめ、無失点で切り抜けて見せたのだ。ストレートの最速は146キロをマーク。アベレージは140キロ前後と驚くような速さはないが、1年前と比べても明らかにボールの力はアップしている印象を受けた。更に目を引くのがフォームの良さである。左右に体が振られることがなく、直線的に捕手に向かってスムーズにステップし、前で大きく腕が振れるため打者の近くでリリースすることができる。特に右打者の内角へのボールの角度は素晴らしく、10奪三振のうち7個が右打者から記録している。120キロ台中盤のスライダーと130キロ台のカットボールも腕を振って投げられ、打者の手元で鋭く変化するボールだった。カーブ、チェンジアップの緩いボールの精度はもうひとつだったが、そのあたりがレベルアップすれば更に攻略が難しい投手になりそうだ。


 5月に行われたJABA東北大会では2回を5失点と崩れ、都市対抗予選でも目立ったピッチングをすることができず、都市対抗本選の補強選手にも選ばれていないため注目選手として報道されていることはほとんどないが、この日のピッチングは間違いなくドラフト候補と呼べるレベルのものだった。何よりも高校卒3年目とまだまだ若く、貴重なサウスポーというのも大きな魅力である。また多くのスカウトが視察した前でベストピッチングを見せられたというのも“持っている”選手と言える。現時点の実力よりも、将来性を重視して指名する球団が出てくることも十分に考えられるだろう。


西尾 典文 Norifumi NISHIO


1979年、愛知県生まれ。大学まで選手としてプレーした後、筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から技術解析などを テーマに野球専門誌に寄稿を開始。2017年からはスカイAのドラフト会議で解説を務め、2021年には仮想ドラフト会議にも出演。
アマチュア野球を中心に年間約300試合を取材する熱血スポーツライター。

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